セールスプロモーションは、様々な企画が検討されますが、商品ジャンル別に傾向や制約など考慮するべき点がいくつがあります。ここでは、商品ジャンルごとに、定番的な販売促進の考え方を紹介します。
ここでは主に、大型流通(GMS)やスーパーマーケット、ドラッグストアなどでのインストアプロモーションの展開を想定しています。
酒類は、嗜好品商品であることから、ターゲットを的確にとらえる必要があります。
また酒類は、年齢制限や販売方法に法的な制約があり、広告をはじめ販促施策も、これらの法的な制約を遵守しなければならない点が、他の商品ジャンルとの大きな違いです。
例えば、無料のノベルティにこども向けのおもちゃなどはNGです。
また、「責任ある飲酒の推進」も求められ、健康への配慮に加え、飲酒運転や適度な飲酒を促進するような展開も避けなければなりません。
例えば近年は、メーカー主導による無料の試飲イベントは、法令順守の観点から実施されることは少なくなっています。
【酒類のプロモーションの定番手法】
POPによる定番棚装飾の他、新製品は特設コーナーが展開されることが多くあります。
酒類のセールスプロモーションの具体的な施策として以下のようなものがあります。
■ノベルティ付き販売
グラスなどのノベルティをつけての販売。ターゲットに合わせてコラボなどもあります。
■マストバイキャンペーン
購入者が応募できるプレゼントキャンペーンなど。近年はWEB応募が主流です。
■飲み方提案
新しい飲み方や飲用シーンを提案。ポスターやボードなどでのビジュアル展開やTVCMや動画を連動することもあります。
■他食品やブランドとのコラボ
いっしょに食べる食事としてレシピ提案したり、食品以外のブランドとコラボしてノベルティを制作するなど。
年々縮小が危惧されるビール業界ですが、クラフトビールの人気などこだわりの嗜好に合わせた新商品は数多く発売されています。商品コンセプトを的確なターゲットへ訴求する展開が増えています。
【関連資料】
手軽な価格の商品が増え、家飲み派も多くなったワイン市場。近年は安さだけでなく、品質やストーリーを訴求する展開が増えています。オーガニックワイン(ビオワイン)や、日本のブドウを使って日本でつくる「日本ワイン」の人気上昇もその一例です。
【関連資料】
【食品のプロモーションの定番手法】
単体での売り場装飾の他、関連商品と合同でのフェア展開が多く実施されます。
食品のセールスプロモーションの具体的な施策としては、以下のようなものがあります。
■限定パッケージ
季節や行事に合わせて限定デザインのパッケージを展開
■流通限定マストバイキャンペーン
購入者が応募できるプレゼントキャンペーン、購入者限定のクーポン配布など。流通および店舗限定の展開が多い。
■料理レシピや食べ方の提案
商品を活用した料理のアイデアやレシピを提供します。売り場での動画展開や料理人による実演イベントなどがあります。
■シェフやレストランとのコラボ
有名なシェフや料理人とのコラボレーションにて、特別なレシピやメニューを紹介。
■他の食品や飲料とのコラボ
他の食品ブランドやアルコール飲料、調味料などとのコラボによって、食べ方提案やセット販売などを行う。
夏だけでなく、一年中需要があるプレミアムアイスクリームを中心に、アイスクリームを食べたくなるシーンの訴求、ブランドイメージにあったキャンペーンなどが行われています。
【関連資料】
生鮮品は生活必需品として価格が購買きっかけになりやすいものですが、それ以外でも、季節感、産地や品質、文化などの情報でプロモーションにテーマを持たせられます。
料理レシピなどの食べ方提案から、他の食品とのコラボも企画されます。
【関連情報】
日用品は、消費者にとって必需品であり定期的に購入される商品です。
同時に競争が激しく、割引価格や特別価格の提供、バンドルセットの販売など、価格訴求が多くなります。
その中で、リピート購入を促進し、顧客のファン化促進するプロモーション施策は、演出力や企画力が試されます。
【日用品のプロモーションの定番手法】
売り場では多くの競合商品と並ぶため、消費者の関心を引き、商品の認知度を高める施策が必要です。商品のパッケージデザインやPOPは、目立つデザインやセールスポイントを強調したものが多くなっています。
具体的なセールスプロモーションの施策として以下のようなものがあります。
■サンプリング
試供品を配布し、消費者に商品を試してもらい、満足度やリピート購買を促進することも一般的です。
■期間限定キャンペーン
季節や生活行事など需要に合わせて、定期的なセールイベントや季節に応じた特別価格キャンペーンなどを行います。クーポンや割引コードの提供も実施時期を見計らうことが大切です。
■バンドルセット
複数の日用品をセットにしたバンドルセットを特別価格で販売。例えば、洗剤と柔軟剤のセットやシャンプーとコンディショナーのセットなどがあります。
年齢別、機能別などブランドの訴求方法が販促企画の重要なポイントとなるスキンケアコスメ商品。
店頭販促の他、インターネット・SNSの活用など幅広い展開があります。
商品は、年齢やライフスタイルなどによってターゲットが設定されているものが多く、ターゲットに合わせたテーマや施策で展開することが一般的です。しかし、近年はマーケティング(調査など)活動によって新しい需要やターゲットが見つかることも多く、マーケティングの力が発揮される部分が大きな商品です。
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