パーソナライゼーションとは、顧客個々の好みやライフスタイルに合った商品を提案し、販売(購買)の最適化を図る手法です。
今まではオーダーメイド商品といえば、コストがかかるため販売価格も高額になるものでした。
しかし、AIやIoTの発展によってコストが低下し、スタートアップ企業でも手ごろな価格でオーダーメイドに近い商品を提供できるようになりました。
このように、デジタル技術を活用して、個人にフィットした商品を展開するマーケティング手法をパーソナライゼーションと呼んでいます。
今まで限られた人しか利用できなかったオーダーメイドが身近になることで、顧客の満足度や体験価値が高まり、結果として継続的な購入へ繋がるという考え方です。
パーソナライゼーションは、デジタル技術を駆使することを前提に考えられています。
デジタル技術の発展により、顧客のパーソナルデータの管理が効率よくできるようになったことが、パーソナライゼーションの実現を可能にしたのです。
デジタルを活用したサービスを展開しているD2Cブランドなどは、パーソナライゼーションが得意です。小規模でも顧客の個々の要望に柔軟に対応できることを強みとして、マスプロダクトを展開してきた大手との差別化を図ってる企業(ブランド)が多くあります。
パーソナライゼーションは、顧客のデータを詳細に収集・分析することで、個々に適した商品やサービスを提供します。
このため、顧客の利益に結びつけやすく、カスタマーサクセスを実現しやすい手法と言えます。
そもそも、パーソナライゼーションを展開するブランドは、カスタマーサクセスの方針を前提にビジネスを展開しているものです。
大手企業もパーソナライゼーションへの動きを模索し始めていますが、今までの製品主体のマーケティングから抜け出せていない企業が多く、パーソナライズブランドを立ち上げるも成功できていない例もあります。
専用のアプリで肌を診断すると、そのデータをもとに約8万通りあるパターンから最適なバランスの保湿液をミックスし、専用のIoTのマシンから抽出するという仕組み。専用マシンをそこへセットする美容液が使用量に応じて自宅へ届けられ、家にいながら、自分にあったパーソナルなスキンケアができるというサービスでした。
2019年7月に正式スタートしましたが、1年も経たず2020年6月にサービスを終了しています。
明確な理由は公表されていませんが、国内最大手の化粧品メーカーによる、パーソナライゼーション&サブスクリプションサービスとして注目を集めていたものの、あまりに早い撤退に日本企業のデジタル展開のハードルも感じられます