夏至は、昼の時間が最も長くなる日で、本格的な夏に向かうとされる時期のはじまり。日本だけでなく、世界で伝統的な行事や文化がある。
ここでは、夏至の文化と近年日本で開催されている夏至のイベントやこれからのプロモーションの可能性などをまとめた。
夏至とは
夏至(げし)は、「二十四節気」の一つで、毎年6月21日〜7月7日頃。
一般的に言われているは「夏至」とは、この期間の初日を指す。
北半球では1年のうちで昼の時間が最も長くなる日であり、「夏に至る」と書くように、この頃から夏の盛りに向かうと時期とされる。
夏至祭
海外の夏至祭
世界の多くの国で、夏至は「太陽の力が最も強まる日」と捉えられており、各地で夏至祭が行われている。
ヨーロッパ(北欧)の夏至祭
・夏至に近い週末が祝日になったり、国民的な行事として夏至祭が行われる
・樹木の葉や花を飾りつけた柱を町や村の広場に立てて、歌や踊りを楽しむ
・伝統食は、ジャガイモ料理、ニシンの酢漬け、乳製品、ソーセージなど。
・儀式や祝いとして焚火を行う
・財産や結婚に関する占いやおまじないがある
アメリカの夏至祭
・比較的北に位置する米国アラスカ州では、各都市で夏至祭が行われる。
・ニューヨークではスウェーデン系アメリカ人を中心として祝祭が多く開催される。
日本の夏至祭
日本も太陽信仰のある国であるものの、実は日本では夏至祭の数は多くはない。その中でも有名なのは、二見興玉神社での夏至祭だ。
その昔、伊勢神宮への参拝者が身を清めた場所である二見興玉神社では、夏至の日の日の出に夫婦岩に向かって海に入り身を清めようという行事(禊)があり、今でも毎年、夏至の日の早朝に行なわれている。
夏至のイベント(日本のイベント事例)
キャンドルナイト
日本では夏至の日にキャンドルナイト開催されてきたことが多く、なかでも有名なのは大地の会が展開してきた100万人のキャンドルナイト。
「でんきを消して、スローな夜を。」をキャッチコピーとして2003年から、夏至と冬至の夜に消灯を提唱してスタートしたプロジェクト。毎年夏至の日近くには、東京・港区の増上寺にてイベントを開催している。
2024年の開催概要
日 時 2024年6月21日(金) 12:00~21:00
会 場 大本山 増上寺
主 催 大地を守る会
後 援 J-WAVE
北欧をテーマとしたイベント
2019年のムーミンバレーパークのオープンの他、北欧をテーマとしたフェアやイベントは以前から日本で人気が高く、近年は、初夏のイベントとして北欧の夏至祭を取り入れたイベントが増加している。
メッツァの夏至祭2024
ムーミンバレーパークと隣接する北欧のライフスタイル体験施設「メッツァビレッジ」で開催される、北欧の夏至祭をモチーフにしたイベント。
北欧各国の大使館、政府観光局の特別協力・後援のもと開催される。北欧各国の伝統文化体験できるコンテンツが盛りだくさんで、タレントのLiLiCoがプロデュースするスウェーデンの夏の風物詩「ザリガニパーティー」も人気。
日時:2024年5月25日(土)~6月23日(日)
入場無料
共催:飯能市フィンランド協会
サクラタウン de 世界旅 北欧〜夏至祭~
埼玉県所沢市の文化複合施設・ところざわサクラタウンにて開催。
伝統的な音楽やダンス、北欧蚤の市、スウェーデン独自のコーヒーブレイク「FIKA(フィーカ)」、北欧選書フェア、ワークショップなどを通じて北欧文化を紹介。
開催期間:2024年5月11日(土)・12日(日)
場所:ところざわサクラタウン
主催:株式会社KADOKAWA
特別協賛:株式会社スウェーデンハウス
夏至の食
半夏生にタコ
夏至に関連した節季に半夏生(はんげしょう)」がある。
半夏生とは、夏至から数えて11日目にあたる日もしくはそこからの5日間、つまり7月上旬。
関西ではこの時期にタコを食べる習慣があり、農家にとって豊作を祈る大切な節目であるこの時期に、田植えをした稲がタコ足のように地面の根付くことを願いながら、栄養のあるタコ食べて農作業の労をねぎらうという意味があった。
今も関西を中心にスーパーではフェアを行うところが多くある。
夏至カレー
「夏至の日にカレーを食べよう」というPRプロモーションが2017年より実施されていた。2018年に大阪では「夏至カレーフェス」も開催され、「夏至カレー」という言葉が提案者である中田絢子氏と電通によって2019年4月に商標登録されている。
【参考】
・売り場づくりのプロモーション施策として「夏至カレーフェア」が展開された例