ＰＲ（パブリックリレーションズ）
マーケティングにおけるPRプロモーションは、広報活動を通じて企業やブランドの知名度・理解度を高め、幅広いターゲットとの関係構築を促進するプロモーション手法です。
商品そのものを宣伝したり、購入を狙ったりするものではないので、広告や販促活動とは異なるアプローチとなりますが、ターゲットとの関係構築という点で、重要なマーケティング戦略の一つと捉えられます。
一昔前のＰＲの手法は、商品や企業の情報をマスメディアにニュースとして取り上げてもらうパブリシティ活動が中心でしたが、現在はメディアの種類や手法が増えたことで展開は多様化しています。
当サイトでのＰＲの考え方や施策アイデアには、販促や宣伝効果を含むものもありますが、その中で「企業の利益だけを追うのではなく、社会全体または幅広いステークホルダーに関係する」というＰＲの本来の目的を重視して紹介します。
PRの目的
情報発信という活動について、「PR」が「広告」と異なるのは、広告は企業が直接メッセージを発信し、コントロールされた形で認知度を広げるのに対して、PRはメディアなどの第三者を通じて編集された情報が発信される点です。
第三者の視点が入ることで信頼性のある情報として受け入れられやすくなり、また発信者側にもメリットのあるコンテンツと判断されれば、新しい情報価値の発見にも繋がります。
PRプロモーションの目的は主に以下のようなものがあります。
認知の向上
メディアやイベントなど大きな情報拡散力をもつ媒体通じて情報を発信することで、認知拡大を狙う。
メッセージの伝達
広告よりも深い情報を伝える。
企業やブランドの特徴や価値観、製品やサービスの利点などを、発信メディアの視聴者に合わせた演出で伝えることができ、ターゲットオーディエンスにより印象的にメッセージを浸透させる。
関係構築
一方的な告知ではなく、第三者の視点が入ることで、ターゲットにとっての情報の信頼性や新近感が高まる。
また、ターゲットとの関係が深まることで、将来的なロイヤルティの向上や口コミ効果の発生も期待できる。
PRの種類
PRプロモーションの具体的な手法としては、以下のようなものがあります。
目標や対象とするオーディエンスによって、施策の組み合わせや内容を検討します。
メディアPR
メディアリレーションズ（パブリシティ）
メディアにニュースを無料で掲載してもらうための活動。
新商品やサービスのリリース、会社の重要な発表、業績報告などを広く報道機関に伝えることが目的。効果的なプレスリリースは、メディアに取り上げられることで大きな情報拡散効果が期待できる。
インフルエンサープロモーション
インフルエンサー（影響力のある人物や専門家）を活用し、ブランドや製品をターゲットオーディエンスに訴求する。インフルエンサーの信頼性を活用することで、特定のターゲット層へのアプローチが容易になる。
デジタルPR
SNS活動
SNSを活用して企業のメッセージを広め、消費者とのエンゲージメントを高める。
ソーシャルメディアを利用することで、迅速かつ幅広いオーディエンスに情報を届けることができる。
コンテンツマーケティング
読者に価値を提供するコンテンツ（ブログ、動画、インフォグラフィックなど）を作成し、PRを行う。
コミュニティPR
PRイベント
展示会、セミナー、ワークショップ、記者会見などのイベントを通じてブランドや商品を紹介する方法。
より多くの人に商品やブランドに触れてもらい、認知と理解を深めることが目的。
地域密着型PR
地域社会や特定のコミュニティに対するPR活動。地域イベントのスポンサーや地元メディアとの提携など。
企業PR
CSR（企業の社会的責任）活動
環境保護活動、社会貢献活動、エシカルビジネスの取り組みを通じて、企業のブランドイメージを向上させる。
リーダーシップの表現
企業のリーダー（CEOや経営陣）を前面に出して、企業のビジョンやリーダーシップをアピールする
危機管理PR
リスクマネジメント
不祥事やトラブルが発生した際の迅速な対応や情報公開を通じて、企業イメージの損害を最小限に抑える。
危機後のブランド再構築
企業が不祥事や危機に直面した後、信頼回復のために行うPR活動。
パートナーシップPR
スポンサーシップ
スポーツチーム、イベント、文化的なプロジェクトなどのスポンサーになることで、ブランドを露出させる。パートナーシップは、長期的なコラボレーションのような形式で、お互いの強みを活かしたプロモーションを行う手段のこと。
アライアンスやコラボレーション
他のブランドや企業との提携を活用して、双方にメリットのあるプロモーションを行う方法。共通のイベントや製品開発を通じて話題を集める。
アンバサダープログラム
ブランドに対して強いロイヤリティを持つファンを「アンバサダー」として育成。アンバサダーが第三者としての視点をもってブランドの良さを広めることで、信頼性の高い広報効果が期待できる。