商品やプロモーションを創っていく中で、“考え方やテーマ(=コンセプト)”を言葉で表現するものがそコンセプトコピー。
主に”プロモーションの対象者に向けて伝えたいコト”を表現するのキャッチコピー。
企画の段階では、この両方を策定することがあります。
ここでは、企画をより理論的な構成で組みたてられるように、それらのコピーの違いを中心に説明します。
コピーが利用される範囲はとても広く、一概に定義することは難しいのですが、企画作成の時にあいまいになりがちな「コンセプトコピー」と「キャッチコピー」の大まかな違いは、以下のように説明できます。
・企画書の中だけで使うのがコンセプトコピー
・実際の制作物に使われるのがキャッチコピー
・発信者(販売者や主催者)が伝えたいものを表現するのがコンセプトコピー
・受信者(消費者や参加者)にとっての魅力を煽るのがキャッチコピー
・関係者のためにあるのがコンセプトコピー
・ターゲット(消費者や参加者)のためにあるのがキャッチコピー
コンセプトコピーとキャッチコピーは、兼用することもできますが、
企画の流れの基本は、「コンセプト → キャッチ」です。
考え方の方針であるコンセプトを決めてから、それを具体的に人に伝えるためのクリエイティブ作業を施してキャッチコピーが出来上がります。
企画書を作成する、プレゼンする際に、相手に「コンセプト」をわかりやすく伝えるための言葉がコンセプトコピーです。
このコンセプトコピーには、企画に必要な「誰に」「何を」「どのように」という要素が含まれている(直接書いてなくともそれが伝わるような言葉になっている)のが理想です。
しかし企画書作成において、コンセプトコピーをわかりやすく、またプレゼンしやすくする ために、コンセプト コピーがキャッチコピーのようになる場合もあります。
またコンセプトコピーはあえて設定せずに、キャッチコピーとしてプレゼンする手法もあります。
もちろん、それでも問題ありません。
この企画で、「何を伝えたいのか」がわかるようにすることが重要です。
【例:健康ドリンクの販促】
コンセプト=「新社会人を応援する」・・・・ターゲットを若い人にする、商品特徴が社会人の生活にマッチしている
コンセプトコピー=「頑張れ!新社会人。」
このコピーは、企画書のみに使ってもよいのですが、キャッチコピーとして制作物に使っても不自然ではありません。
また、わかりやすい表現なので、プレゼンの時の相手にも、消費者にも、意味がよく伝わるでしょう。
キャッチコピーは、いわゆるターゲット(消費者や参加者など)の心を引きつけるような言葉を取り入れて、注目や関心、好奇心を喚起するための言葉です。※キャッチコピーという言葉は和製英語です。英語ではadvertising slogan。
キャッチコピーの作成手法はいくつもありますが、代表的なものとしては、「商品やサービスによって購入者が得られる利点(=相手の求めるもの)」を取り入れたり、「利用者の心の声を代弁する」ことが有効です。
企画立案時のコピー考案の流れをまとめると、
コンセプト(アイデアのもと)
↓
コンセプトコピー(意味を正しく伝える言葉)
↓
キャッチコピー(注目や関心を得るために演出をした言葉)
という流れになります。
TVCMなどのマスメディア、ポスターや屋外広告など不特定多数をターゲットとした広告コピーは、見た人の「気持ちを揺さぶる」ことが目的で、すぐに購入や行動に結び付けることを目的にはしていないことが多くあります。
例)
わたしらしくをあたらしく ––LUMINE
名前は、親が子供に送る、はじめての手紙なのかもしれない。––パイロット
人は、人の傘になれる。 ––愛媛県
帰ってくるあなたが、最高のプレゼント ––JR東日本
セガなんてだせえよな!プレステの方がおもしろいよな! ––セガ
3階の娘の部屋は、会社より遠い。 ––旭化成ヘーベルハウス